Poetry of the help and past poetry
--- two ---

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ジャスティの事が気になって後ろを振り返る。

ラティスに支えられて歩いていく姿が見えた。





「キョーは何も気にしなくていいから、とにかく休んでおけよ。明日からは
忙しくなるかも知れないからさ。」

「でも私のせいでフリージアやジャスティが・・・。」

「キョーのせいじゃないだろ。二人なら心配いらない。少し休めば回復する
し。ジャスティの場合は覚悟の上でキョーの所まで飛んだくらいだしな。」



『飛ぶ』というのは、やはりあの時急に現れた事だろうか。


サルヴィアもかなり驚いていた。




「条件が整っていないと、とても危険な事だったのでしょう?サルヴィアが
そのような事を言っていたわ。」



フリードライツは少し言うか言わないか迷った様子だったが、教えてくれた。


「あの”技”は・・・というか、我が王家の力は普通の魔力とは違って。
フェンリルが持っていた力を血によって継承してきたものだ。だから、王
家にしか使えない”技”がたくさんある。」





「特にあの”技”はその中でも最もハイレベルなもので、他の魔法と違って
制約があるんだ。リスクが高いから滅多に使わないし、使える人物も限られ
ている。」





フリードライツは立ち止まると、窓の外を覗く。



「魔法で移動する事は、魔力さえあれば鍛錬したらできるようになる。けれ
ど、通常の移動なら移動先を正確に思い描かないと行けないから、一度でも
行った事がある場所でないと飛べない。」





「けど、今日ジャスティが使った”技”は、場所を指定して飛ぶわけじゃな
くて特定の人物のところへ飛べるんだ。その人物がいる所なら、自分の知ら
ない場所でも飛べる。その代わり、通常の何倍もの力を使うけどな。だから
その負担を減らす為に、いろいろ条件があるんだ。」







だから今日、ジャスティは何処にいるのか分からない自分の為に”技”を
使ってくれたんだ。


居場所が分からないから、それしか方法がなかったに違いない。













聞きたい事が山ほどある。



ジャスティのこと、サルヴィアのこと、私自信のこと。

そして過去に何があったのか。
きっと、私にも関係あるはずだから・・・。





今までのように、何も知らないと言いながら逃げてたらダメだ。

守られてるだけじゃ何も変わらない。


ジャスティは何かに縛られて苦しんでいる。
そしてサルヴィアも。



サルヴィアはもう怖くない。

彼女の想いを知ってしまったから。




だから、苦しんでいる二人を・・・救ってあげたいと思う。

何の力も持たない私が、神に近しい二人を救うなど、考えるだけでもおこが
ましい事かも知れないけれど・・・。



私が本当にミロンの生まれ変わりだと言うのなら。


きっと・・・いや、必ず救えるはず。



だから、私は知らないといけない。
おとぎ話ではない、歴史としての事実を。

そして、ジャスティを変えたという出来事。
ジャスティが愛した、おそらく今も愛している女性の事を。



微かに感じる胸の痛みは勘違いだと言い聞かせながら。

桔梗は夜空の月を見上げた。





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